第2章 始まり
緑谷「何か…ズルだな…僕は…オールマイトにここまでして貰えて…恵まれすぎてる…」
緑谷の瞳から涙が零れた
オールマイト「(今更何を…自分の頑張りだろーに…)」
『(一番緑谷くんが頑張ってたのに…優しい人だ…緑谷くん…)』
オールマイト「その泣き虫治さないとな!さァ授与式だ緑谷出久!」
緑谷「…はい…!」
オールマイト「これは受け売りだが、最初から運よく授かったものと、認められ譲渡されたものではその本質が違う!」
緑谷「?」
オールマイトは自分の髪の毛を1本抜いた
オールマイト「肝に銘じておきな。これは君自身が勝ち取った力だ」
緑谷は拳を握り締めた
オールマイト「食え」
緑谷「へぁ!?」
オールマイト「別にDNAを取り込められるなら何でもいいんだけどさ!さァ時間ないって!」
緑谷「思ってたのと違いすぎる…!!」
『う、うん…』
そして出久は髪の毛を受け取って飲み込んだ
オールマイト「よし!食ったな!毛!」
緑谷「何の変化も感じられませんけど…」
オールマイト「そりゃそうさ!!キミ胃腸を何だと思ってる!まぁ2~3時間もすれば実感沸くさ」
緑谷「あぁあ緊張するぅうぅ…早く帰ってシャワー浴びてご飯食べて…」
オールマイト「…“器”は成したが…それはあくまで急造品の“器”。馴らし運転も出来なかったからな…肉体への反動は覚悟しておけよ」
緑谷「!」
オールマイト「細かな説明をする時間はないからこれだけ…。「ワン・フォー・オール」を使う時はケツの穴グッと引き締めて心の中でこう叫べ!!「SMASH!!」と」
緑谷は頷いて走りだした
『あ!緑谷くん!!』
緑谷「えっ…?」
『これ!』
は緑谷にお守りを渡した
『ファイト!』
緑谷「!!…ありがとう!!」
『合格…するといいね。夢のために』
―――――
出久くんの試験から1週間が経った
『合格したかなぁ……ん?』
携帯が震えた
『もしもし…ってオールマイト!どうしたの?』
オールマイト《緑谷少年のことが気になっているのではと思ってな!》
『あはは…確かに気になってたよ』
オールマイト《緑谷少年には今日通知が届くだろう。結果は…》
『……ホント…!?』