第19章 俺の所為でアイツは……
〜保健室〜
「ハァ……ハァ……」
俺は息を整える為に深呼吸を一度したあと保健室のドアに手を掛け中へと入った。
「やっと来たのね、バカ兄貴」
「……美月っ! アイツは……華菜は大丈夫なのか⁉︎ 何があったんだ⁉︎」
俺は目の前にいる美月にそう尋ねる。
「少し落ち着きなさい、バカ兄貴。 彼女なら今奥で手当てしてもらってるわ」
「手当て、って……一体何があった……? アイツはそこまでの怪我をしているのか⁉︎」
「だから、少し落ち着けって言ってるでしょ。 大丈夫よ、そこまで大怪我はしてないわ。 けど……」
「けど……、何だ?」
「けど、キズが残るかもしれないって……」
「⁉︎」
美月はそう言って目を奥の部屋へと向けた。
(キズが……残るかもしれないって……それは大怪我になるんじゃないのか? いや、それよりも華菜はどこを怪我したんだ?)
そんなことを考えていると美月が俺に向かって呟いた。
「このバカ兄貴っ‼︎」
「⁉︎」
そんな美月の怒鳴り声に俺は美月の方に顔を向ける。