第19章 俺の所為でアイツは……
俺は美月から貰ったメールを見て急いで保健室へと向かう。
保健室へと向かっている途中、俺の頭の中に浮かんだのはアッキーに言われた言葉と美月からのメール内容だった……。
「くそっ! ……俺がしてきたことが裏目に出るなんて……‼︎」
俺はアイツを守るために近づくことをやめたんだ……
なのに、その選択はアイツを傷つけるだけの結果しか生まなかった……。
その証拠に華菜は……
<<ーーバカ兄貴、今すぐ保健室に来てっ‼︎華菜さんがーー……>>
そう書かれた美月からのメール文章にはいつもの美月らしさは感じられなかった。
(だから、そんなふうにメールを寄越した美月のことが気になる)
そんな思いが浮かんだ後すぐに、アッキーに言われた言葉が頭の中で響いた。
『お前は美月と春野さん、どっちが好きなんだ。 春野さんが美月と比べられた時、彼女は美月に勝てるのか?』
「⁉︎」
俺は走っていた足を止める。
(違う……)
俺が心配しているのは華菜であって美月じゃない……
『だけど、博臣の美月への接し方は周りから見れば異常なほどだ。 だから、春野さんは……!』
俺が今心配してるのは……
美月じゃないんだ……!
俺が必死になって保健室に向かっているのは美月のためじゃなく……
ーーーー華菜のためなんだーーーー……