第18章 すれ違う心と縮まらない距離
俺はアッキーの声を耳にし、閉じていた目を開けてアッキーの顔を視界に入れ言葉を紡ぐ。
「……華菜は帰ったのか……?」
「帰ったよ」
「……そうか」
「春野さんもそんな顔をしてたよ」
「え?」
アッキーのそんな言葉に俺は顔をアッキーに向ける。
すると……
「春野さんも、博臣と同じで"辛そうな顔"をしてたよ」
「俺と同じ……?」
「彼女はさ、博臣に……」
アッキーがそう言い掛けた時、俺の携帯にメールの受信を知らせる音が響いた。
「⁉︎ 悪いアッキー、美月からメールが来た」
俺はメールの受信者を確認し、アッキーにそう言いながらメールの内容を確認する。
「なっ⁉︎」
「……どうした? 博臣……」
「華菜が……」
「春野さんがどうしたの?」
「詳しくは後だ、今は保健室に急がないと……!」
そう言って俺は保健室に向かおうとしたのだが……
「待って、博臣っ!」
そう叫びながらアッキーは俺を呼び止めた。