第18章 すれ違う心と縮まらない距離
-博臣Side-
「はぁ……危なかった……」
華菜が屋上を去ったのを確認した後、俺は物陰から出て、設置されているベンチに寝転がる。
今日一日、アイツが俺を探し回っていたのはアッキーから聞いていた。
だから、会わないように逃げ回っていた。
(といっても、俺はずっと屋上にいただけなんだが……)
そんなことを思いながら目を閉じた。
するとーー……
「どうして、ちゃんと会って話を聞いてあげないんだよ、博臣」
(はぁ……アッキー、か……)
そう心で呟き俺は閉じていた目を開けてアッキーの顔を視界に入れた。