第41章 後日談:騒がしい休日。
ーー……
ー…
博臣先輩に手を引かれたまま私は少し遠い場所にある公園へとやってきていた。
その公園は休日だというのに人ひとりいなく、静かで寂しげな公園だったけれど……二人きりで過ごしたい思いがあった今の私達にとってはありがたいことだった。
「とりあえずここに座るか」
「はい」
私達は並んでベンチに腰を下ろした。
「やっと二人で落ち着くことができそうだな」
「そうですね」
そう言って私達はどちらからともなく手をつなぐ。
「こうやってお前と二人きりで過ごすのも久しぶりだよな……」
「ですね。 最近はずっと兄が付き纏っていましたし……」
「学校ではアッキーの邪魔が入ることが多かったしな……」
先輩からの言葉に私は学校でのことを思い出しながら苦笑する。
「でも、楽しいです」
「俺はちっとも楽しくはないぞ。 アッキーが邪魔してくるから華菜と過ごす時間が少なくて俺としては不満だ。 お前は不満はないのか?」
「うーん……うちの兄よりはマシかなって……」
「……。 まぁ、確かに、な」
「でしょ?」
「けど、な……」
博臣先輩がそう口を開き、言葉を続けようとした時……
『博臣〜! 春野さん〜!!』
公園の入口付近から聞き慣れた声が聞こえた。
そして、近づく足音。
「「こ、この声は……!!」」
聞き慣れた声を聞き、私と博臣先輩は声をハモらせた。