第41章 後日談:騒がしい休日。
あれから月日は流れ、私は博臣先輩に突然抱きつかれても拒絶反応を起こさなくなり、普通の彼氏彼女のように過ごせるようになった、ある日の休日のこと。
私の部屋で博臣先輩と私はいつものように過ごしていたのだが……
突然ーー。
『華菜ーーっ!!』
下の階から大声が聞こえてきて、ドタドタッと階段を上がってくる足音が私達のいる部屋に近づいてきた。
「……はぁ」
(また、兄貴か……)
「今週も、だな」
「……はい。 てか、毎週すみません、うちの兄が……」
「べつに構わない。 毎週、お前達を見ていて楽しいからな」
「……私は博臣先輩と過ごしてる時間を兄貴に邪魔されて毎週ウンザリしてるというのに……楽しまないで下さいよ……」
「悪い悪い。 ……でも、そうだな。 さすがにお前の兄貴だとしても毎週のように邪魔をしてくるのは許せないな……だから、行くぞ」
「……え、行くってどこへーー?」
「いいから、行くぞ!」
先輩はそう言うなり私の腕を掴み部屋のドアを勢いよく開けた。
すると、ゴツンッと鈍い音と兄貴の『イテッ!?』という声が聞こえて見てみると兄貴は少し涙を目に浮かべその場に蹲っている。
(もしかして、ドアに頭をブツけた……?)
そんなことを思いながら博臣先輩を見ると答えはすぐにわかった。
「あ……。 えっと、すみませんでしたっ!!」
先輩は兄貴に謝りながら走り去るようにして私の手を引きながら階段を下りていく。
そんな私達の後ろからは兄貴の呼び止める声が聞こえていた。