第40章 そしていつもの日常に戻り……(完)
「……美月、何か俺の彼女が冷たいんだ……慰めてくれ……」
博臣はフラフラと華菜の前から離れ、代わりに美月が座っているほうへと向かいながらそんなことを呟いていた。
「なぁー…美月〜頼むから俺を……」
「煩いわね、兄貴っ! 邪魔しないで!!」
「……華菜だけじゃなく、美月まで冷たいとか酷いじゃないかっ……!!」
博臣は傷ついた表情で嘆いた。
「私が兄貴に冷たいのはいつものことじゃない」
「……じゃあ、華菜は何でここ最近俺に冷たいんだ?」
博臣は暗い表情で美月に目を向け、尋ねた。
「ここ最近、兄貴が鬱陶しいんですって」
「……なっ!? そう、だったの、か……っ……!?」
博臣は涙を浮かべ、その場にへたり込むようにして崩れ落ちた。