第38章 その<答え>の先にあるのは……

けれど、やっぱり博臣先輩に隠しておくのは良くない気がして話すことにした。

「……ここへくる前に神原秋人に告白をされたんです……」
「……っ!? アイツが、お前にか!?」
「……はい。 ここへくる前に神原秋人から『春野さんのことが好きなんだ』って、言われました……」
「…………」
「『博臣の所に行ってほしくない』、『僕はもう傷ついて泣いているキミを見たくない』、『だから屋上に行ってほしくない』って、引き止められたんです……」
「……だから俺より遅かったのか」
「……はい」

私はそう頷くだけで精一杯だった。

「それでお前は……」
「え?」
「……華菜はアイツに何て返したんだ……?」
「私は……」

(ちゃんとした返事をしないままでここへきてしまった……)

ただ、『ごめん……』という曖昧な答えをしてここへきてしまった。

「……? 華菜?」
「……ごめんなさい。 ……これから、ちゃんとした返事をしてきます」
「え?」
「……神原秋人にここで出た<答え>をちゃんと話してきます」
「……待て、俺も一緒に行く」
「えっ……」

私が屋上から出ようとしたところで後ろから博臣先輩の声がかけられたのだった。