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私は変態な貴方に愛されたくはないっ‼︎(完)

第38章 その<答え>の先にあるのは……


…………

……

その頃、屋上を一人で去って行った美月は保健室前の廊下で暗い顔をした秋人とバッタリ会い……

「こんな所で何してるのよ、秋人……しかもその暗い表情は何?」
「……あぁ、美月か。 美月こそどうしたのさ……そっちこそ、暗い表情してるじゃないか……」
「私はべつに……」

美月がそう言いながら秋人から目線を逸らす。

「……僕達は『選ばれなかった者同士』、ってことか」
「…………」

美月は秋人が呟いた言葉を聞いて何かを返すこともなく、ただただ無言のまま拳を握り締めた。

「……美月も屋上に行ってたの?」
「どうして……?」
「……数分前まで春野さんと一緒にいて彼女が去り際に『博臣と屋上で会う』ってそう言ってたから、美月もだったのかな、って……」

秋人がポツリとその言葉を零すと美月の目からはひとしずくの涙が流れ落ちていた。

「……っ、どうして兄貴はあの子を選んだりなんてっ……!」

美月は涙ながらにそう零し、秋人の胸に飛び込んだ。

「うわっ!? ……み、美月っ……!?」
「あんなに……っ、あんなに私にベッタリだった兄貴なのに……なのに……あの子が転校してきて、すぐに兄貴はあの子ばかりに夢中になって……挙句の果てにはあの子と付き合うことにしたなんて……! 兄貴はずっと私の兄貴だったのに……!」
「…………。 ……美月も最初から『あんなこと』言うつもりはなかったんじゃないの?」
「……ぇ?」

美月は小さく声を漏らした。

そんな美月の声は秋人の耳には届いてはいないようで、秋人は続けて言葉を呟いた。



「僕も最初から『あんなこと』言うつもりじゃ……なかったから、さ……」

けれど

秋人が呟いたその言葉は美月の耳にすら届くか届かないかの、声で呟かれたのだった。


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