第38章 その<答え>の先にあるのは……

「……本当によかったんでしょうか?」
「え?」
「何だか私、博臣先輩を信じて……選んでもらえて嬉しいはずなのに……素直に喜べなくて……」

(それはきっと美月ちゃんに心から私達の関係を認めてもらえたわけじゃないからなのかもしれない……)

「……華菜」
「……それに……神原秋人も……」

私が無意識に呟いたその言葉に博臣先輩が反応し、「秋人がどうしたんだ?」と、尋ねてきた。

「ここへくる前に秋人と何かあったのか?」
「い、いえ……! 特に何もなかったですっ……!」

私は咄嗟に嘘をつき、誤魔化した。

けれど、博臣先輩には隠しきれるわけもなく……

「……秋人にここへくる前に何か言われたんじゃないのか? だからここへきた時に元気がなかったんじゃないのか……?」

博臣先輩は私のほうに視線をやり、真っ直ぐに私の目を見つめる。

「…………」

私はその視線に耐えられず目を伏せた。