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私は変態な貴方に愛されたくはないっ‼︎(完)

第35章 神原秋人から告げられたその言葉は……


「神原秋人は……どうして、そう思ってくれてるの? 貴方には関係ないものなはずでしょ? それなのに……」
「関係ない……とは言えないんだよね……」
「……どういうこと?」
「それは詳しくは言えない。 でも一つ言うとするなら、僕は春野さんの泣いてる顔を見たくなかったんだ。 ……博臣のことを想って泣いてるキミの姿を見たくなかったんだよ……」

神原秋人は悲しげな表情を隠すようにして私から顔を逸らし、うつむいた。

(……神原秋人?)

「僕は、さ……きっと春野さんのことを……」

神原秋人がそう言いかけた言葉は放課後を知らせるチャイムの音に遮られてしまった。

そのチャイムを耳にし、壁に掛かってる時計を見て私はハッとする。

「……っ! 屋上に行かなきゃっ⁉︎」

私はそう呟やいてベッドから降りて、保健室を出ようとした。

けれどーー……

「待って、春野さんっ‼︎」
「っ⁈」

神原秋人が私の腕を掴んでその場に引き止めた。

神原秋人のその行動に驚き、私は戸惑いながら、彼を振り返る。

「神原秋人……? どう、した、の……?」

振り返った先、目の前にいる彼の表情は何だか苦しそうな表情を浮かべていて……私は更に戸惑うことになる。

(どうしてそんな表情をしてるの……?)

「…………」

(神原秋人……?)

どうして貴方は今にも泣き出しそうな顔をしているの……?

どうして、私の腕を掴んでいる貴方の手は……

震えているの……?

どうしてそんな苦しそうで、辛そうな表情で……

私を見ているの……?


「か、神原……秋人……?」

私は彼の名前を呼ぶことしか、できなかった。

他にかける言葉が思い浮かばなかったから……。


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