第26章 いつもと違う博臣先輩
「……え……?」
(美月ちゃんと色々ってなに……?)
それじゃ、美月ちゃんが博臣先輩に風邪を引かせたの……?
どうして……?
「……そんな顔……するな……」
「えっ……」
「色々と言っても……ただ、美月に水を浴びさせられただけ、だ……」
(美月ちゃんに水を浴びさせられただけ、って……一体どういう状況で……?)
「どうして……」
「お前は、さっきから……そればっかりだな……」
「だって……わからないことばかりだから……」
「詳しい話は……俺が、元気になって……からで……いい、か……? 今は……説明する力は……ない……」
そう言った博臣先輩の声は弱々しかった……。
(そうだ……博臣先輩は今、風邪を引いていて熱だってある状態だったんだ……)
「わかりました。 ……あの、私帰りますね?」
(博臣先輩のお休みの邪魔は出来ないし……)
私はそう言って立ち上がり帰ろうとしたのだが……
「帰るな……」
ギュッ
「っ⁉︎」
私の手を博臣先輩の手が掴んでいた……。