第26章 いつもと違う博臣先輩
「……っ! 博臣、先輩……?」
「頼む……傍に……傍に居てくれ……華菜……」
博臣先輩はそう呟き、私の手を力なく引いた。
「博臣先輩……」
(なんだろう……胸が……ドキドキと……)
何だがさっきから変だ……
私の胸がドキドキと音を立ててるなんて……
博臣先輩がいつもと違う感じだから……?
(弱ってる博臣先輩を前にドキドキしてる私はどうかしてる……)
こんな状態の博臣先輩にときめいているなんて……
「……華菜……頼む……傍にいてくれ……」
「あっ……あっ……あの……えっと……でも……私……邪魔……」
「邪魔じゃない……から……いてくれ……」
グイッ
「あっ⁉︎」
私は少し強く手を引かれ、バランスを崩し、博臣先輩が寝ているベッドに手を突いた。