第25章 博臣先輩の家。
私が兄貴を睨むと……
「お前、まさかあの男の事が好きだったりするのか……?」
兄貴はそう声を漏らした。
そんな兄貴の言葉に私は言う。
「兄貴には関係ないでしょ。 私が博臣先輩を好きだったら何だって言うのよ」
「あの男に華菜をやるわけにはいかない‼︎ いや、他の男に可愛い妹をやるなんて出来るかっ‼︎」
そう叫んで兄貴はまた私をギュッと抱きしめた。
(また兄貴はっ‼︎)
「抱きつかないでっ‼︎」
「……」
「ちょっ……兄貴っ‼︎」
「……」
「もうっ! ……っ……離してよ、お兄ちゃんっ‼︎」
「……っ!」
私がそう叫んだら兄貴の腕の力が弱まり、私は兄貴の腕の中から抜け出した。