第185章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜全員
馬がゆっくり上下する度、
童心に返ったように騒ぐ二人。
馬車に乗った二人と言えば……
「み、三成くん顔。近過ぎじゃない?」
副部長は少し声を乱しながらも、必死に平静を取り繕う。しかし、「そんなことないですよ?」その上をいく、落ち着いた様子で、三成はニッコリ。
普段頼もしく、凛とした日本女性らしい副部長。そんな副部長の悩みや、相談相手になっている間に、三成は……
「多種多様な、貴方を見てみたい」
好意を寄せ、何よりも図書室の貸し出しカードで副部長の名前を知った時から、運命のようなものを感じていたのだった。
「三成くん……」
初々しく恥じらう副部長。
二人は、カメラのことなんかスッカリ忘れ、至近距離で見つめ合う。
「……アレも撮影すんのか?」
政宗はかったるそうに、やれやれと肩を下げる横で、
「……はぁ。待ち受けだとバレるし。どこに設定すれば」
家康は携帯画面と睨めっこ。
しかし、表情は真剣そのものだ。
その隣で、
「なぁ!見ろよ!あのアリスの子、やばくね!?」
「お?……一緒にいるポリスの子もいい感じだなっ!降りたらそっこー声掛けようぜ!」
狼男に仮装した同世代の二人組。
柵に寄りかかり、メリーゴランドが止まるのを見計らって、ひまりと弓乃に声を掛ける相談をし始めた瞬間。
その声に素早く反応した、海賊と執事。
ガシャンッ!!
「あ〜悪い、柵にいる変な虫追い払おうと……思って、な?」
柵に片脚を押しつけ、
語尾にドスを利かす政宗に……
二人組は、声を失い。
「もう終わるみたいだし。迎えにいかないとね。……俺のアリスを」
ギロッ!!
柵から身体を離し、横切る間際に、
射抜くような視線を突き刺した、家康。
「「ひっ!!」
二人組の男は短い悲鳴をあげ、白々しく「つ、次、何乗るんだったっけ?」肩を組んでその場から、尻尾を巻いて逃げ去った。