第185章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜全員
メリーゴランド。
煌びやかな色付けをされた、回転木馬、馬車。くるくる回りながら上下に動き、小さな子供でも乗りやすく、家族づれの人気アトラクション。
「俺はアイツを尊敬する」
「俺は完全に呆れてる」
色々と照れ臭いお年頃の二人。
ライトアップされた夜。そんな良いムードの中ならまだしも、今現在。昼間の賑やかなファミリータイムに乗るのには、少なからず抵抗があり……
家康と政宗は携帯で写真撮る係を、自ら買って出て……上手くその場をやり過ごしていた。
「メリーゴランド。初めて乗りましたが、なかなかの乗り心地ですね」
「馬車で良かったの?私は、何でも良いのよ」
三成と副部長はハロウィン限定、かぼちゃの馬車に向かい合わせで座り……
「私、この大きな馬にしよーっ!」
「頭に帽子被ってて可愛い〜〜 !私、ゆっちゃんの隣のオバケ馬にするーっ!」
弓乃はスカートに気をつけ、馬に横座りの体勢で乗り、片手で補助棒を持つ。ひまりはその隣の子馬にちょこんと跨った。
ピーッ……!
スタッフが安全確認した後。
鳴り出す機械音。
ガッ!と、動き出す前に一瞬揺れ低速で回り出す。
「さて、撮影開始するか。……ったく。何で俺があっちもこっちも撮影しなきゃなんねーんだ」
「俺、ひまりしか撮らないから」
ちゃっかり自分の携帯カメラを取り出し、画面をひまりに向ける家康とは違い。政宗は副部長と三成ペア、弓乃とひまりペアをそれぞれアングルを変えて、撮影。
「ちゃんと撮りなさいよーっ!」
「二人も乗ればいいのにーっ!」
一周回り、柵の向こう側で自分達の方に顔を向け、手を振るひまりと弓乃。
「家康、顔ニヤケてんぞ」
「放っておいてくれる。色々、噛み締めてんの」
うさぎ耳付きアリスの格好と、メリーゴランド。その組み合わせに、家康は内心でかなり萌えを感じていた。