第184章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜家康様side
イタズラ開始。
手を取るか、手を取らないか。
別に試してるわけじゃないし、困らせたいわけじゃないけど。普通に、俺が繋ぎたいのが本音。
けど、今日は小春川や副部長もいるし。独占ばっかりも出来ないから、イタズラと言うより、選んで貰うだけ。
ひまりはキョトンして、俺の顔と手を交互に見る。
「ひまりーっ!早く行くよ〜」
小春川がこっちに手招きしながら、仮装のイベント会場に向かって、歩き始めた。その後ろを他の三人が付いて行く。
ひまりはくるっと背を向け、
「今、行くーっ!」
そう叫ぶ。
(さすがに、今日は友達のが良いか)
最近、学校でも俺と居る時間のが多かったし。昨夜も三人で色々、計画してたみたいだから。
そう思い、手を下げようとした時。
くるっ。
また俺の方に向いて……
「皆んなの前だから、繋いでくれないかと思った」
ほんのりピンク色付いた頬で、嬉しそうに笑って。
素直にキュッと、
自分の細い指を絡ませた。
思わず目を開いて、
自然と緩みかける口元。
(ってか。俺の台詞だし、ソレ。普通に嬉しいんだけど)
自分で仕掛けといて、
俺のがイタズラされた気分。
「早く行こう!!夜のパレードまでに、いっぱい乗り物のりたい!!あと、イベントもあるんだって!」
「……はぁ。俺らも仮装すんの?」
それには、流石に溜め息が出る。
修学旅行では、扮装。
遊園地では、仮装。
来月の文化祭も、何か着るみたいだし。
最近、そんなんばっか。
「もちろん!何かね、スタッフさんが、その人に合う衣装を見立てて、選んでくれるらしいよ」
「……なら、三成は小悪魔」
「三成くんは誰が見ても、エンジェル!天使だよ!ん〜家康は何かなぁ〜?」
「ひまりは、うさぎ」
会場に着くまでの間は、お姫様を独占。当分は、イタズラしなくて済みそう。