第184章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜家康様side
「トリックオアトリート!!」
早速出迎えたのは、かぼちゃの帽子をかぶったスタッフ達。
園内も園外も色とりどり。
……と、いうか。
黒とオレンジが基調の飾り付けが主。ハロウィンのランタン、お菓子のモチーフがそこら中にぶら下がったり、装飾されている。
入場すれば、真っ先に子供が飛びつきそうな、白いオバケ、コウモリ、カボチャのオバケ……の、風船を手に持った別のスタッフ。
ドラキュラに仮装して、販売していた。
ひまり達はスタッフから、園内マップとイベント案内を受け取り……
それぞれ、第一声は……
「めっちゃ!気分上がるし!」
「イベントも盛りだくさんで良いわね」
「ワクワクしてきたぁ!」
かなり上機嫌。
で、俺たちの第一声は……
「仮装してるヤツばっかだな」
「私、遊園地に来たのは初めてです」
「……人、多過ぎ」
バラバラの意見。
チケットを購入後、入場。って言ってもひまりの分は俺が確保済みだけど。
「いつも、ありがとう。お昼に家康専用のサンドウィッチ、作ってあるからね」
隣に寄ってきて園内マップを口元に当て、少し恥ずかしそうに「愛情もそれには、いっぱい込めたから///」そう言って、笑う。
(っとに。自覚ないんだろうけど)
たったその一言の破壊力。
俺の不満なんて一瞬で、解消。
ちゃんと分かってんの?
何で不機嫌だったか?
政宗も三成も今はどうか知らないけど。長い間、恋敵だったんだけど。
そんな奴らに、恋人になって初めてのデート邪魔された上に、
ーー明日、すっごい楽しみ!
電話で、あんなこと言われたら不機嫌になるし。
覚悟しなよ。
甘いイタズラ。
いっぱい、仕掛けてあげるから。
ちゃんと、
おじさんの「健全」守りながら。
(俺はね……)
ちょっと悩んだ後、ひまりに手を伸ばす。