第183章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜
付き合った日。
その日の夜にちゃんと、お父さんとお母さんに挨拶しに来てくれた家康。
ーー必ず大事にします。
ーーあらあら、わざわざありがとう。すると、次は結婚する時かしら?
ーーうぅ……ついに。ついに、この日が……。
お父さんは、結婚の挨拶されたみたいに、オーバーなリアクションするし、お母さんはやっと?みたいな、感じだった。
「いってきまーす」
後から登場したお母さんのお陰で、何とか、お父さんから解放された私達。腕時計の針が指した時間を見て、少し早歩きで駅に向かう。
家康は、外に出た瞬間。
荷物をさり気なく持ってくれるし、手も何も言わなくても、すぐに繋いでくれて……
(まだ、慣れないかな?)
ちょっとだけ、まだムズムズする。
それに、今日はカレカノになってから初めての「デート」って、言っても二人だけじゃないけど。
でも、やっぱり嬉しい。
現地で仮装サービス受けるから、あんまりお洒落はしてなくて、普段着をちょっと意識した程度だけど……
「そんな可愛い格好は、二人の時でいいんだけど」
ボソッと呟いた家康の一声で、
自然と浮き立つ足。
「楽しみだねーっ!」
今にもスキップしそうになりながら、隣に視線を向けると。
車があまり通らない裏路地で、
軽く手を引かれ……
「……キスしていい?」
鼻先が擦れるぐらい、至近距離で聞かれる。
「え?なんでわざわざ……じゃ、じゃなくて///」
普段、聞かれないから逆に驚いて「ここ外だよ!」って、いつもなら言いそうな私が先に出てこない。
「……へぇ。おじさんが言ってた健全なお付き合いしようと思って、聞いたんだけど。別に許可はいらないってこと?」
「ち、ちがっ///」
「なら、していい?」
(うぅ。今日は、甘意地悪な方だ)
原因は……
何となくは分かってるんだけど…。
チラッと上目遣いで見て、
「や、やっぱり。ちょっぴりまだ、怒ってる?」
「……怒ってない」
そう言うけど、
明らかに声と目は、少し不機嫌。