第177章 涙色の答案用紙〜あとがき〜
約五百年の時を越えて。
約五百年前の歴史を記した書物。
私達が学んだ歴史とは違う、もう一つのこの学園だけに残された歴史。
話を聞き終わり、
ただ呆然と書物を見ていた私に……
「君が持っている物は、文と一緒に埋められていたと。父が残した日記に記してあった。そして、同じ書物が我が家にも家宝として受け継がれている」
佐助くんが小学生の頃に、亡くなってしまったお父さんは、もう一つの歴史に興味を持ち石碑を研究していて……
そして佐助くん自身は時を越える力、ワームホールに興味を持ち、石碑を調べていたと教えてくれた。
「後、君に会ったのは偶然じゃない。会いに行ったんだ」
「え!?そうなの??」
「申し訳ない。二人が春にここでキスをした時、実は石碑の後ろにいた」
私はそれを聞いて、みるみる頬が熱くなる。八つ当たりみたいに、隣にいる家康の腕をポカポカ叩いて……
「もう!///家康が寝ぼけてワサビと間違えるから!///」
「……今なら言えるけど。アレ、間違えたフリしただけ。ひまりなの、わかってシタ」
「へ?///ばか!家康のたぬきーっ!」
「ちょ!痛いって。まぁ…あの時のビンタよりはマシだけど」
家康はわざと今、思い出したみたいに自分の頬を摩る。
それを見て、頬をパンパンに膨らませると、私の方が狸みたいとか言って、今度は吹き出すし……
「もう!知らない!」
(絶対!いつかお仕置きする!)
怒った私は背中を向ける。
すると、
「部長と副部長なら、仲良くしないとな?」
秀吉先輩。
「クッ。少しは成長したと思ったが」
明智先生。
「中学の時も、この光景を良く拝見しました」
三成くん。
「相変わらずってヤツだな」
政宗。
一人一人、順番に軽口を言って。
最後に、
戦国姫が再会を願った文。
私が今朝、皆んなに届けた文。
内容が驚くほど似ていたと、
皆んなは笑った。