第33章 月見ず月(5)家康様side
ギシッ……。
ソファが揺れ乗りかかった、俺の膝が軽く沈む。
(どうなっても、知らないよ)
「ん……」
(……かわい)
無防備にスースー寝息立てて、僅かに開いた口から漏らす声。
暗くて、はっきり見えないのが残念。
寝顔なんて小学生ぐらいから、見てないしね。
「っとに。俺の理性試さないでくれる?」
寝てるひまりに聞いても無駄だと分かっていても、つい言いたくなる。
柔らかい、
ほっぺに軽いキスして……
(……ごちそうさま)
ソファに掛けてあるブランケットを取り、もぞもぞと動くひまりの華奢な身体に掛けた。
(感謝しなよ。襲わないであげるから)