第5章 教師「織田信長」
コンコン。
軽くノックをして、挨拶してから中に入る。
窓の側で背広を脱いだ先生の姿。
ワイシャツの袖をまくり、優雅にコーヒーを飲んでる。
カップを置き、私に視線を向けた。
クイクイ。
手招きされ近づくと、
《ドンッ!》
なっ……///
いきなり壁に追い込まれ、先生のドアップが目の前に。
「せ、先生!いつも近すぎますっ///!」
追試の度、いつも至近距離で指導されてるけどやっぱり慣れない。
離れて下さい!
と必死にお願いをすると、
「貴様にはこれぐらいの距離で話さんと、伝わらんからな」
無茶苦茶な理由を言いながら、先生はクイッ、とネクタイを緩め……
「あのクソ餓鬼、探して此処に連れて来い」
先生のクソ餓鬼は=家康のこと。
そんな頼みなら教室で言って下さい!と反論すれば、先生はフッと息を耳元に吹きかけてくる。
「………それでは、このような事が出来んだろ」
うぅ……///
もう、泣きそう……。
「……家康連れてこい。そしたら褒美やる」
「い、いりません!失礼します!」
私は先生の腕を擦り抜け、部屋を出る。
(はぁ……もう、絶対赤点取らないようにしないと)
この一年で先生のスキンシップが、エスカレートしてる気がするのは……
気のせい??
(家康もよく呼び出されてるけど……まさか、さっきみたいに……)
想像しかけて途中で止める。
だめ。怖い。
パタンとドアを閉め、心臓を落ち着かせてから家康を探し始めた。
戦国武将三人目
「織田信長」
ドSで俺様セレブな
担任兼、顧問の先生