第175章 涙色の答案用紙〜最終章〜※中編
ーー恋文ーー
まず、一番に下駄箱に入れて。
私はクスリと笑う。
そのまま、一年生の教室に移動して。
次は、二年生の教室。
ついでに鞄を置いて……
次は、三年生の教室。
階段を駆け下りながら、保健室。
ちらほら登校してくる生徒。
そして、最後に職員室。
キョロキョロと見つからないように
隠れんぼしながら……
また、下駄箱に戻って……靴を確認して、大切なモノ一つ。下駄箱に入れると、靴に履き替えて裏庭に向かった。
春とは違う風。
ふわっとじゃなくて、さわっと吹き込む少し冷たい風。
風はいつの間にか秋の温度に。
足元に秋の白詰草。
春よりは少し元気は無くなっていたけど、それでも咲いていた。
ブレザーのポケットから
大切なモノ二つ目。
オルゴールを取り出して
ネジを全開に回して……
三つ葉の周りにそれを置いて……
石碑の裏に回り、頭をコツンとあてる。
ーー言い伝えごっこ。
貴方と私の思い出の場所は?
『学園の石碑』
♪♩♫…♩♩………
時が戻る……
止まっていた針が、
逆まわりを始めたように。