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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第31章 月見ず月(3)家康様side




「秀吉は今頃、三成の相手をしている。今朝、連絡があった」


何でも、道具を選ぶのを付き合っているらしく。
草むしりと三成の相手どっちが良いか、天秤に掛けた俺と政宗。


「草むしりだな」

「……だね」


寝そべりながら、即答。


「なら、文句言わずやれ」


ほれ、と横からペットボトルを投げられ、受け取る。
身体を半分起こし、
冷えたソレを額に押し当て……

熱を軽く冷ます。


(暑すぎ……)


ギラギラの日差しにうんざりしながら、
キャップを回す。


プシュ…


炭酸が弾ける音を鳴らし、
カラカラに乾いた喉に一気に運んだ。



青く晴れた空を見上げ、
頭に浮かぶのは、ひまりの事だけ。



(ひまり、確か今日映画行くって……)



避けられる前に
話題の恋愛映画見に行くって、
嬉しそうに話してたっけ。


ーーなら、最終日開けといて。

ーー5日の日?

ーー……水族館。連れてってあげる。

ーー本当!すっごく行きたかったから、嬉しい!


水族館誘った時も、かなり喜んで携帯でその日やるイベントとか調べてて……
俺の制服引っ張りながら、イルカショーは絶対に見たい!って花みたいに笑う姿が、やばいくらい可愛かったし。


あの時正直、ちょっと期待した。
男に誘われて断ってるの見て。
まだ、一緒に行く気
ちょっとは有りそうな感じがして。


(断られる覚悟してたから)


大体、避けられてもほっとけ無いし。

男に呼び出されて、
のこのこ出てく姿見たら。




ある程度、体温も下がった頃。


「後、半分だな。さっさと、やっちまおうぜ!腹減ったし」

「ご飯ぐらいは奢る気、あるみたいだしね」


半分以上飲んだ、ペットボトルをクルクル回しながら重い腰を持ち上げる。


「餓鬼には無縁のコース料理、食わせてやる」

「……遠慮しとく。普通のにして」


ニヤリと笑いながら、サングラスを頭に乗せた鬼に監視されながら、俺と政宗は無言で草を抜く。


ただ、
早く帰りたい一心で。


汗だくになった身体を、
最後に水撒きをして冷やす。


「……あっ」


「貴様ら……っ!!」



ワザと手元が狂ったフリして、
鬼にも水を浴びせ……


「やべっ……!」


「げっ……!」


調子に乗りすぎて、

見事に雷は落ちたけど、ね。


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