第167章 涙色の答案用紙(31)修学旅行編
本能寺跡___
「……どうやら」
「……みたいですね」
秀吉と三成は同時に空を見上げた。
市内の病院___
「……起きてたのか」
「はい。……綺麗ですね」
窓を開け見上げる天音。
そこから夜風が入り込み……ふわりと、光秀の白衣を揺らす。
赤い橋付近___
「……ようやく合図か」
信長はフッと息吐き、愛車から降りると携帯を鳴らした。
呉服屋では___
「政宗!早く!」
「わかったから、引っ張るなって」
弓乃と政宗は店から外に出る。
そして庭先で……
「まるで赤い花が、降っているようですねぇ」
「天界の花。めでたいことの前兆……いや、既に祝福してるのかもしれんな」
パタパタパタ……!
「おばぁちゃん!お姉ちゃん、まだ??コレのこと聞きたいんだけど」
その手にキラリと光るモノ。
「きっと、来るよ」
離れの家からやって来たのは……
孫娘、縁(ゆかり)
つつじは手招きをして、穏やかな笑みを浮かべた。
河原___
「……はい。念の為、暫く様子を伺っていたので合図が遅くなりました。詳しくは後日…石碑で。それまでに研究結果を出しておきます」
佐助は電話を切り……
「それにしても、さすがセレブだ」
大量に並んだ筒。
「二人の新たな運命の、前祝だな」
残りに、火を付けた。