第160章 涙色の答案用紙(24)
月を隠していた雲の端。
そこから漏れ出る光に、
薄っすらと黒髪が照らされる。
信長「フンッ。あの、書物にはそんな事は書いてはいなかったが、な」
三成「ぜひ、一度。その、書物を拝読してみたいですね」
秀吉「確か、家康が持ってるらしいから、家に押しかけて借りてこい」
光秀「玄関先で門前払い、食らうだろうけどな」
佐助「次の機会に、俺のを持って来ます。なかなか、興味深いのでぜひ皆さんで読んで下さい」
重苦しい空気が、少し消えた頃……
ホテルの外では。
「ちょっとは、目がマシになったか?」
「あのメール。何?」
政宗は家康の肩を叩くと……
「俺じゃなくて、ひまりに聞け」
感想でも、な?
残した一つ。
ぶつかり合い……
そして、
「ひまりちゃん。……今、いい?」
「天音ちゃん?」
部屋を出て行く二人。
本音を隠した四人の想い。
雲で姿を消した月が、光を零すように。
揺らめきながら、姿を現わす。
ピンク色の封筒。
透明のボトル。
二つの新学期。
その真実の
『タイムカプセル』が、開き始めた。