第157章 涙色の答案用紙(21)修学旅行編
修学旅行、一日目。
一番目に赤いバスが停車したのは、
人気の観光地「清水寺」
みどころは有名な舞台から、京都を一望出来る景観。参道街の伝統的な日本らしい街並み。
「凄いな。あんな人が乗っかっても壊れねえとか」
政宗が下から展望台を見上げ、その人の多さに唖然とする隣で、
「本堂行って、景色見て、縁結びに行って、音羽の滝で恋愛水!清水坂で買い物!完璧!」
弓乃は何とか場を和ませようと、頑張る。それはひまりも同じで、
「天音ちゃん!行きたいところある?」
一番思い出を作って欲しいと願う、天音にしきりに声を掛け話しかけた。
「私は大丈夫だから……」
「後で明智先生同行するみたいだし、適当にで良いんじゃない?」
家康は空を見上げ、雨雲がない事を確認するとスタスタと歩き始めた。頭の中と心中は青空とは違い、モヤついていたが……
(何年か振りに書物を読んだけど、時を越えるチカラに付いては、詳しく書いてなかった)
ただ、戦国姫はある者と一緒に雷に打たれ、約五百年前の戦国時代……本能寺の変の最中に舞い降りたとだけ。しかし、家康はひまりを不安にさせないように、距離を置きながら何かあった時にすぐに守れるよう、対策を練っていた。
しかし、ひまりはそんな家康の背中を見つめ浮かない表情をしていた。
政宗は、すぐにその様子に気づき……
「ほら、行くぞ」
ポンと励ますように、背中を押す。
うん。と、返事をして歩くひまり。
弓乃はそんな二人の様子を、複雑な心境で見つめていたが……
「私達も、行こ!」と、天音の肩を叩いた。
五人が本堂の中に入った頃。
信長と光秀は佐助達と合流。