第26章 「苺のポッキー(8)政宗様編」姫主side
キッー。
公園の中にある二つのブランコ。
寂し気に音を響かせ、
暗い公園の端で、
夜風に乗り揺れていた。
ーーこっち来い。
政宗が急に真剣な顔するから、ちょっとビックリしたけど……
「ほら、奢ってやるから。つまらない顔するなよ」
「ありがとう!」
近くの自販機で政宗が買って来てくれた、ミルクティー。
私はお礼を言って受け取ると、缶を開けて一口飲む。
甘くて美味しい。
政宗も一緒にベンチに座り足を片方組むと、持っていた缶コーヒーに口をつけた。
「何があったか、別に無理に言わなくて良い。ただ、悩むぐらいなら言え」
どうせ、家康絡み何だろ?
図星を突かれ思わず苦笑いをする。そんなに私って分かり易い?と尋ねると、まぁな。と政宗は背もたれに身体を預け、両手を縁の上に置いた。
私は相談しようか悩み、
「政宗は、好きな子いる?」
「ゴッホッ……!」
そう問いかけると、
政宗は飲みかけていたコーヒーを吹き出しかけ、苦しそうに咳をする。
私が慌てて謝ると、恨めしそうな目をしていきなり突拍子も無いこと言うなと、軽く怒られた。
「まぁ……何だ。その…いるのはいる」
「そっかぁ……。政宗もいるんだ」
「も、……って事は、家康もそう言ってたのか?」
私はコクリと頷く。
でも、本人に直接聞いたわけじゃないと慌てて訂正する。
それから、今日の昼休みに告白現場を見てしまった事を政宗に話した。
勿論、相手が副部長なのは伏せて。