第25章 「苺のポッキー(7)政宗様編」政宗様side
外でひまりを待つ間、携帯を弄りながら適当に時間を潰す。
(ったく、女は遅いからな)
どうせ、ギャーギャー騒いで次の休みの計画でも立てながら、ちんたら着替えてるんだろうが。
まぁ、文句言ってても仕方ない。
惚れた弱みだ。
いくらでも、待っててやる。
軽く息を吐き指を滑らせ、来月店に出そうと考えている献立を調べていた時だ。
携帯の表示画面が光る。
『差出人』は家康。
「春先で変なヤツ多いから。
家まで送って欲しい」
俺はまだ改行があるのに気付き、指を下に向かって滑らす。
……手、出さないでよ。
(無理だな。折角の、機会だ)
独り占め存分に堪能させて貰う。
大体頼まれなくても、そのつもりだ。
最初からな。
「バイバーイ」
ひまりの声が聞こえ、俺は携帯を仕舞う。
「帰るぞ」
ニヤケそうになる口元。見られないようサッサと俺は歩き出した。