第4章 同級生「伊達政宗」
「ひまり、桜の花弁ついてるぞ」
「えっ!どこどこっ?」
私はその場でくるくると回る。
「じっとしてろ。……取ってやるから」
政宗の手が急に髪に触れ、ついピクンと反応してしまう。
「……お前、あんまり男煽るな。そんな反応すると、自覚なし子ちゃんは……」
すぐ、喰われるぞ。
ザワザワ。
横を通り過ぎる声。
「え?ごめん!最後、聞こえなくて!」
自覚なし子ちゃんの後、何て言ったの?
すぐに聞き返すけど、政宗はフッと軽く息を吐いて教室に入って行く。
何て言ったんだろ??
私は首を傾げながら、後に続くように教室に入り席に着くと、視線を泳がして……
一つだけ空いた席で止まる。
家康の席。
(もう……絶対、どっかで昼寝してるに決まってるんだから)
後で、先生に怒られても知らないんだからね!
チャイムが鳴る。
教室のドアがガラガラっと開き、
「席につけ」
教壇に立つ先生を、見て……
思わず政宗と目を合わせる。
そして二人でこっそり笑いながら、
家康の席に向かって手を合わせた。
(はい、呼び出し決定!)
戦国武将二人目。
「伊達政宗」
男らしくて、料理上手。
一番仲良い同級生。