第23章 「苺のポッキー(5)家康様編」混合side
ガラガラッ……!
教室から出て行くひまり。
俺は椅子項垂れるように椅子に座り、腕で顔を覆う。嫌でもやって来る罪悪感と後悔。
するつもりなかった。
って思いっきり言い訳だし。
ってか、あれは反則。
(あの瞳は、反則だし……っ///)
思い出して、誰もいない教室で一人赤面する俺。
予想超えて、あんな距離まで来たらするなって方がほんと無理。
オレンジ色に染まったカーテン。
開いた窓からそよぐ風。
四月の終わり風、生温くて熱くなった体温を更に上昇させる。
俺はグランドに視線を落とし……
軽く息を吐く。
まだ、感触も熱も残った唇。
口ん中の甘さと苺の香りが、さっきのひまりを頭から離してくれない。
(……これで、一歩下がられた)
折角、7割まで近づいた距離が台無し。
(まぁ、お陰で吹っ切れたけど)
ひまりが一歩下がっても、
俺が一歩踏み込めば良い。
これからは、
とことん攻めてあげる。
特に、二人っきりの時は。
(嫌でも自覚するぐらいね)
机の横に掛けてあるひまりの鞄。
その中に渡しそびれた物を入れ、教室から出た。