第140章 涙色の答案用紙(4)
裏庭に着くまでの間。
色んなこと、思い出してた。
ポッキーゲームして
すっごいドキドキした事。
家康が好きな子に選んだ和歌。
あの時は、心が騒ついて。
胸が痛んだのを覚えてる。
今は、私宛?
なんて、浮かれてるけど///
あと、部屋でちょっと、エッチな体験して///
もう混乱して、家康の気持ちが全然わからなくて。抵抗しない自分が一番、不思議で堪らなかった。
あの後、確か本を見つけて怒ったんだよね?
それから野外活動。
雨の中、怪我をしてまで探しにきてくれて……は、裸同然みたいな格好で抱き合って///
(だめっ///思い出せば、思い出すほど恥ずかしくなる///)
合宿、大会、北海道の旅行。
他にもそれまで沢山ある想い出。
もう、タイムカプセルになんて絶対入れたくない。
全部全部、胸に詰め込んで。
二人でいっぱい話しながら、少しずつ出したり閉まったりして……一緒に時間を過ごしたい。
私は裏庭に入る曲がり角で、
立ち止まる。
大きく息を吸って、
大きく吐いて。
ーー……好きな子、いるから。
あの時。
副部長がここで告白して、家康がそう返事をした声が今でも、凄く頭に焼き付いて離れない。
勘違いじゃないよね。
違うよね。
まだ、不安になる自分が何処かにいる。
長い間、ずっと一緒にいて。
幼馴染の関係も、凄く大切で。
何かが急に変わるのは、
どうしても戸惑ってしまう。
でも、でも……
それでも
この胸に熱く込み上がる想い。
胸の中で咲いて広がった……
気持ちを、ちゃんと……
今。
大好きって伝えたい。