第138章 涙色の答案用紙(2)
新学期の今日。
いきなりの学力テストを終えて、
部活なしの放課後。
学校の宿題は提出済み。
(あとは……)
私は、鞄の中にちゃんと手紙が入ってるのを確認してから……
天音ちゃんと話をしている、家康の背中に視線を送る。
他の皆んなには見せないような、明るい笑顔で家康に笑いかけ、そっと肩に触れる天音ちゃん。
何だろう……
ちょっとだけモヤモヤする。
(新学期だから……かな。でも、天音ちゃんが来たのは手術の為なんだから)
大きな手術って言ってた。
きっと凄く不安だと思う。私が想像するより、遥かに。それにまだ転校初日で来たばかりだから、いきなり皆んなと打ち解けるのは難しいだろうし……。
(同居中の家康が一番、話をしやすいよね?七年ぶりでも幼馴染だし、それなら私も……)
「で?いよいよなわけ〜?」
二人の会話に混ざりに行こうか悩んでいた時。
斜め後ろの席のゆっちゃんが、茶化すように指でツンツン背中を突く。
私はくるっと後ろを向き、口にそっと人差し指をあてるとはにかんだ。
昨夜、こっそりゆっちゃんにはそれとなく告白することを報告。そしたら、やっと?って言われて……長々とお説教されてしまい。
気づくの遅いとか。
見てる方が歯痒かったとか。
私は周りに聞こえないように、口の横に手を添え……
「でも、まだ両思いって決まったわけじゃ……」
「花火見ながらキスして?最大のヒント貰って〜?それで、両思いじゃなかったら、逆にびっくりするわ!」
「ゆっちゃん!声大きい〜っ!///」
私はあたふたしながら、シッーと仕草をするとポンと誰かに肩を叩かれ、振り向く。
すると、天音ちゃんが立っていて……。