第22章 「苺のポッキー(4)家康様編」家康様side
ポリッ。
(俺の予想では……)
半分食べるか食べないか。
ポリッ。
(……小動物みたいだし)
ポッキーじゃなくて、
ひまりが食べたいのが本音。
視線を逸らしながら、口を動かすひまり。
長い睫毛が震え、
ピンク色の唇が動く光景に……
俺の視線は釘付けになる。
(……何で、こんなに可愛いワケ)
ーー何で、こんな事するの!
俺のが聞きたい。
ポリッ。
(大体、好きじゃなかったら……)
こんな事普通しないし。
考えたら普通に解るし。
俺の気持ち言うのは、簡単かもしれない。
でも、伝えるだけじゃ足りない。
ポリッ。
(今、気持ち伝えて……例え、ひまりがオッケーくれても)
俺の『好き』まで、
ひまりが追いつかない限り、
いつまでも、
全然意味ないし。
でないと、いくら両思いになっても……
いつまでも、片思いしてんのと変わらない。
俺のこと、男として自覚して
早く、好きになって欲しい。
幼馴染としての好きなんて、
いらないし。
早く、俺しか
見えなくなって欲しい。
ポリッ。
ポッキーの半分辺りでひまりは、一旦食べるのを止める。
ずっと外してた視線を、スッと俺に向けて……
見ないで。
ドキッ。
明らかに瞳は、そう言ってる。
(……っ!)
ポリッ。
また、食べ始めたひまり。
ぎゅっと目を閉じて……
いつの間にか、
長さは半分は超え……
俺の予想も超えた。
パキンッ。
『7割』
そこまで近づいた距離に。
ガタッ!!
___俺は止まれなくなった。