第22章 「苺のポッキー(4)家康様編」家康様side
「……なら、ゲームして」
「ゲーム?」
「ポッキーの定番の」
「えっ///」
いくら恋愛沙汰に疎いひまりでも、流石に何のゲームかは解ったらしい。
「で、でもあれはっ///その……ほらっ!」
再び顔を真っ赤にして動揺し始めた。
あれは恋人達の定番で、幼馴染の定番じゃないとか。
ポッキーを杖をみたいに振り回して、必死に力説するひまり。
そんな姿が可愛くて、思わず頬が緩みそうになる。
何とか我慢して、ルールを説明。
「俺は食べないから、ひまりだけ食べて」
食べたポッキーの長さが、
半分以下だったら、教えない。
半分以上食べたら、ヒント。
そう説明した後、
ひまりの手からポッキーを奪い、
「全部食べたら、俺の全部教えてあげる」
俺は頬杖をつきながら、首を少し傾ける。
「そんなルール聞いた事ないよ!」
「なら、定番のルールにしとく?お互いが両端から食べるやつ」
俺は構わないけど?
そう言って笑えば、ひまりはうっ。と言って言葉を詰まらせる。
「知りたいんでしょ?なら、早くして」
わざと煽ってから、ポッキーを口に咥えた。
んっ。と顔を近づけてポッキーを揺らす。これで素直で負けず嫌いのひまりなら乗ってくるはず。
「ぜ、絶対……家康は食べないでね?」
首を軽く縦に振り、頷く。
ひまりは少し悩む用な素振りをした後、ポッキーの先端と俺の瞳を上目遣いで交互に見る。
そして、食べ始めた。