第131章 夏の大三角〜最終章〜(3)
素敵な街並み。
一番行きたかった場所に辿り着く。
海外の人にも人気のスポット。
入り口にある蒸気の時計に大興奮して、私は携帯でパシャと写真を撮ると急かすように家康の腕を掴む。
「引っ張らなくても入るから」
「手作り体験も出来るみたいだから、早く行こう!!」
そして一歩、
中へと
入り込んだ瞬間。
吹き抜けの広々とした空間に所狭しと並んだ、オルゴール。
形、素材、仕掛け……
宝石箱みたいに綺麗で。
面白い仕組みの壁掛けタイプ。
販売している物が殆どの中。
展示品も沢山あって……
色んなメロディーで溢れていた。
「コレすっごい可愛い〜〜!あ!でも、あっちのも!可愛い〜〜」
どれも素敵で目移りしてしまう。
私は顔を前後左右動かして、店内を動き回る。
「こら、走り回ると危ないから。まだ、体験まで時間あるからゆっくり見て回れば良い」
うん!ありがとう!元気よく頷くと、家康は目を少し細め、曲名が後ろに書いてあることを教えてくれて……
うん?まだ、一つも触ってないのに何でわかったんだろう?
少し疑問に思って首を傾ける。
家康はオルゴールを一つ手に取ると、これは有名な動揺とか、流行曲とか裏を見てて……
(まぁ。いっか!)
私は、好きな曲を見つけてネジを回す。
「オルゴールの音色で聴くと、全然違う曲に聴こえるから不思議……」
耳元に少しだけ近づけて、私は澄んだ音色に集中する。
すると、
「……確かに」
家康の香りが広がった。
一瞬、ドキッとして……
オルゴールを落とさないように、
もう片方の手を添えようとした時。
「手、震えてる」
先に、家康の手が添えられて……
「い、いきなり近づいてくるから///」
オルゴールが止まっても、
今度は、私の胸が鳴り出す。
「回すの、面倒だから。……次、コレ」
周りから見たら、私達……
「お似合いだね。….…高校生かな?」
「良いなぁ〜ラブラブ」
そんな風に見えるのかな。