第21章 「苺のポッキー(3)家康様編」姫主side
ドキッ。
「っ!///」
私は顔を仰け反り、口をパクパク動かす。いつの間にか無くなっていたポッキー。
(食べられたっ//////)
顔が一気に熱くなる。
「な、なんで!何で!///何でっ///」
もう完全にパニック。
家康は肩を震わせながら、私の反応を明らかに楽しんでて。
「ひまりが食べてるヤツのが、美味しそうだったし」
「そ、そんなワケ///」
「ちゃんと、俺言ったし」
指でコレ頂戴って。
ニヤリと笑って見せる家康。
(あれって!そう言う意味だったの!)
「それと……」
突然、家康の親指が
今度は私の唇に触れて……
ふにっ。
「……チョコ付いてる」
バクバクと鳴り出す心臓。
私の唇に付いてたチョコ。
ペロッ。
「……こっちも、ご馳走様」
それを舐めた家康を見た、瞬間。
かぁっ…///
目眩を起こしそうになるぐらい、熱が昇って……。
まるでキスされたような錯覚に陥って……
触れられた唇が、大きく震える。
けど、
ーー……好きな子、いるから。
その時、頭に浮かんだ家康の言葉。
あんなに煩かった心臓が、
今度はピタッと、止まったみたいに……
苦しくなって。
家康がからかうのは、いつものこと。
それは解ってるけど……
でも、もし誰かにこんな所見られたら
……勘違いされて、困るのは家康の方なのに。
私は机に置いた手を握りしめる。
「何で!何で、こんな事するの!」
気づいたら、そう叫んでた。