第127章 『熱い視線』
「……様子見てくる」
「なら、俺も行くか。三成はどうすんだ?」
さっきから必死に浮き輪を膨らませていた三成は、一旦息を吹き込むのをやめ、
「この際、先に決めておきませんか?」
指で空気口を塞ぐと二人にある提案を持ちかける。
それは、三人にとって好都合なひまりと、二人にきりになる時間を設けるという提案だった。
それぞれ平等になるよう……
家康は玉砕した三成に提案をされるのは不服だったが、一理あると嫌味が飛び出しそうになる口を塞ぐ。
「海水浴場の定番と言えば……」
日焼け止め塗る場面。
『お願い…出来るかな…///』
ヤラシイ手つきで、存分に肌触りを確かめたいなら、これが一番。
アイスを一緒に食べる場面。
『きゃっ…どうしよう!零しちゃった』
水着姿、もはや下着同然。その裸体に白い液が飛び散り、視界とそれをタオルで拭きとる、二度オイシイ。
一緒に海へ泳ぎに行く場面。
『きゃ!思ったより深い!……抱きついても良い?///』
密着度を味わうならコレしかない。上手くいけばポロリハプニングもあり得る。
「……何て、言うのはどうでしょう?」
淡々とそのことを述べた三成。家康と政宗はゴクリと唾を飲み込んだ。もはや何処でそんな事を!興味なさそうな顔して!と微笑む三成に突っ込むことも、疑問さえ抱くこともないまま……
ジャンケン大会の激戦を繰り広げている最中に、
「三人で、何のジャンケンしてるの?」
ご丁寧に白いパーカーを羽織、チャックまでしめているひまり。
「あんたらが迎えに来ないから、ナンパ撃退するの大変だったんだからね!!」
デニムのボトム付きの水着姿で、仁王立ちする弓乃。
「最後に声かけて来た人……ちょっとタイプだったわ」
ビキニからスラリと伸びた脚を、少し前で絡め残念そうな声を上げる副部長。
やっと六人は合流した。