第20章 「苺のポッキー(2)家康様編」家康様side
(自惚れるよ……。もし、その事を気にして日誌が進んでなかったら)
同じクラスになって、全力出すって宣言したわりに……
まだ、幼馴染ごっこしようとする自分自身が何処かに居る。
踏み込んで避けられたら、後ろに下がられたら。
その不安がまだ完全に吹っ切れてない証拠。
ほんと、情けない。
何年も積み重ねた気持ちは、真っ直ぐひまりに向かってる癖に。
矢が飛んでる間、風が邪魔をしてくる。
他の奴なんかに絶対奪われたくない癖に。
バンッ!
俺はロッカーを勢い良く閉める。
運動部の耳障りな程、粋の良い掛け声の中をすり抜けて顔を上げる。
真っ白なカーテンがオレンジ色に染まり、風に靡いてる。
一つだけまだ開いたままの、窓。
俺はその教室に向かった。