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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第127章 『熱い視線』




厄日?
最悪。
何なの?
ほんと。

弓道部の部長の引き継ぎ。
それをする為、秀吉先輩がわざわざ
家まで訪ねて来てくれたまでは、良い。

問題は何で、
一緒に付いて来た三成を置いてくわけ?

ーー部長として、部員全員に公平じゃないとな?

しかも、
明らかに最初からそのつもりで……


「家康先輩のお部屋。素敵ですね」


わざわざ自分の家から枕まで持参して、勝手に乗り込んで来て。許可なんか一切してないのに。


「清潔感と言いますか。無駄な物が、一切ないと言いますか」


何故か俺のベットに腰掛けて、胡散臭いニコニコ笑み浮かべて、既に藤色の格子柄の寝巻きに着替えてる。

……この腹黒エンジェル。


(どうしたら、追い返せるわけ?)


腹の底から、息を吐き出し。
酷い頭痛が襲いかかる前に、俺は皮肉をたっぷりと込める。


「……三成。窓から今すぐ帰ったら?天使なら飛べるから」


「いーじゃねえか。たまには、男同士!積もる話でもするか」


俺は話すことない。吐き捨てるようにそう言って、プイッと顔を背ける。


少し前に、掛かってきた政宗からの電話。三成どうにかしてって言ったら、バイクでやって来て。何気に、自分も泊まる気満々だし。



「……百歩譲って、明日の海水浴許可しただけでも、俺なりに並ならぬ努力したんだけど」


「海水浴。はぁ……///ひまり先輩の水着姿……きっと、女神のように。天女のように……」


ボソッと呟いたつもりが「海水浴」の部分はしっかり聞こえたらしい。

持参して来た、白い枕。それを胸に抱き、ひまりの名前を連呼し始めた三成。


いつかひまりを。
ってか、新学期にはそこで抱けるかもしれない。そんな、俺のベットの上で悶絶する三成に、我慢の限界。


俺はその場から素早く立ち上がり、三成の首襟を掴んで無言で引きずり、


ガラガラッ…!


窓を開ける。



「い、家康先輩!何をなさる気ですか?」


「三成が天使かどうか。今から確かめてあげるから、感謝しなよ」


「家康、お前。目、据わり過ぎだ」



こんなやり取りを続けている間に、夜が更けていく。


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