第125章 『oceanブルーの横顔』(大学生version)
(ばか……っ)
紹介したくないなら!
それなら!
最初から……。そう言ってくれたら…
ーー……綺麗で可愛いとか、ほんと最強。
嘘つき。
カツンッ!
(ばか!ばか……っ)
やっぱり、恥ずかしいんだ。
こんなヒール履いて、
背伸びしたって……
メイクも上手くできないし……
いつまでも、子供っぽいし……
ーーこいつらまで虜にするぐらい、綺麗なのに。……何言ってんの?
嘘つき、嘘つき。
カツンッカツンッ!
綺麗な女の子達の前だから。
余計に……
ーー紹介したくない。
(家康のばかーーっ!)
もう、泣きたいのか怒りたいのか。
悲しいのか苦しいのか。
ぐちゃぐちゃで。
楽しくてあっという間に、過ぎた時間。
きっと今からの
一人ぼっちの時間は、長い。
新館から出た頃、鳴り出す携帯。
私は、立ち止まり。
暫く画面を見つめた後、電源を切る。
白いパンプスの踵が地面の上で響く。
(もう知らない!!)
カツンッ、カツンッ。
意地を張った、私の心みたいに。
視界がボヤけて……
気づかなかった。
携帯に付いたイルカのストラップが、
迷子になっていることに……
それに気づかないまま、
アテもなく、
荷物もないまま、走り出した。
これが、私が自分の意思で……
『迷子中』になった、理由。