第125章 『oceanブルーの横顔』(大学生version)
海沿いの道。
車の窓を開けて潮風を浴び、キラキラ光り輝く青い海を眺める。近々、弓道部の皆んなと集まる計画。それを二人で立てている内に、気づいたら水族館の駐車場に辿り着いていた。
「久しぶりだね!」
「……相変わらず、人多すぎ」
出来てからまだ数年の水族館。
夏休み真っ盛りの今。
今夏に新館がオープンして一般客だけでなく、テレビ局の人、報道記者の人達もいて大反響の大繁盛。
「でも、新館入場券付のチケット。よく手に入ったね!」
家康から受け取ったチケット見て、私は声を上げる。
「ゼミが一緒の奴が夏休み中、ここでバイトしてるから。お陰で誰と行くんだって、しつこく……」
「早く、早く!」
「……聞いた癖に、聞いてないし」
ボソッと呟く家康の隣で、私は踵を鳴らして高校生に戻ったみたいに、大はしゃぎ。
まずは大水槽からね!
入り口に向かって走り出そうとすると、腰元に手が伸びてきて……私の身体は家康の腕の中にすっぽりと収まる。
「……迷子になるから、離れるの禁止」
「もう、ならないよ?///」
「今度こそ館内放送で呼ぶよ」
意地悪い声でそう言うと、私の右手の指と自分の指をガッチリ絡め、恋人繋ぎをして歩き出す家康。
私は、少しだけ身体を寄せ
すぐ隣を歩く。
不思議なのは、一つ。何度繋いでも、何度こんな風にデートしてしても、全然慣れない所かな?自然にしてるつもりでも、何処かまだ心がソワソワして落ち着かないから。
中に入ると、
以前とは違い、館内の空調は適温設定。
巨大水槽の青い世界。水槽の中を気持ち良さそう泳ぐ熱帯魚。ゆらゆらと静かに揺れる水草。虹色に輝く魚達は、茂みの中を優雅に通り抜けて行く。
それを眺める私達の姿が、ガラスに映り込み……周りからどんな風に見えてるのか、ちゃんと恋人同士に見えるのか、ちょっと心配になって……私は更に顔を近づけた。