第125章 『oceanブルーの横顔』(大学生version)
am8:00
「高校生」 「大学生」
二つの違いって何だろう。
どっちも学生でまだ、未成年。デートに行く場所も、そんなに変わらない。
でも、ちょっとだけ違うのは……
だって!
だって!
(夏休みでも全然、逢えないんだもん!)
一睡も出来なかった昨夜。
家康が迎えに来てくれる一時間前。
鏡の前で、一生懸命メイクで目の隈を誤魔化すのに必死な私。
昨夜、急に掛かってきた一本の電話。
「明日、空いてる?」
夏休みの半分を使って、合宿所で車の免許を取りに行ってた家康。二週間ぶりに逢えるのが嬉しくて、思わずベットの上で飛び跳ねた。
私は、即返事して久々の長電話。
本格的なメイクなんて、大学生に入ってから始めたばかり。だから、まだ手馴れてなくて時間が掛かる。焦ってうまく引けないアイラインを見て、溜息吐いて時間を確認。
やり直す時間がなさそう。
しぶしぶアイシャドウでぼかす。
(後は、着替えとヘアセット!)
さすがに教訓して、昨夜の内に服装はバッチリ選んである。この前、ゆっちゃんとショッピングモールに行った時に、一目惚れしたワンピ。清楚でシンプルだけど大人っぽい。私はあの時とは違う、Aラインの白いワンピースにカーディガンを肩に掛け、前で結ぶ。
髪の毛をコテでゆる巻きして、左側の横髪を軽く捻って、三つ葉のヘアピンを定位置に付けて……
腕時計をして、ピアスを付けて、鞄の中のチェックをして、仕上げに家康に誕生日に買って貰った、ルージュを塗って準備完了!
携帯にシャラシャラとイルカのストラップを鳴らして、部屋を飛び出した。
「あら、似合うじゃない!」
お母さんの言葉にデジャブ。
思わずはにかみながら、下駄箱から
迷わず取り出した。
白いパンプス。
昔みたいに電車移動じゃなくて、
今日は家康の運転で、水族館に。
「背伸びするの?」
私は、何それと笑いながら
高いヒールのパンプスに足を入れる。
鞄を肩に掛けて、
カツンとヒールを鳴らすと……
「行ってきます」
玄関の扉を開けた。