第125章 『oceanブルーの横顔』(大学生version)
今でも大好きな、水族館。
オーシャンブルーの光。
最後に訪れた日とはまた、
違って見えて……
幻想的な空間は、
甘い濃厚な空間に変わっていた。
大きな一面ガラスの水槽。
色鮮やかな熱帯魚。
吸い込まれそうな世界。
ずっと、見ていたい。
青い海の中も……
王子様の横顔も……
ドキドキして、トクトクして、
時間なんか止まればいい。
そう願ったあの頃。
高校二年生の私は、
白いスニーカーに視線を落として、
繋がれた手のぬくもりにムズムズして、
心はずっと落ち着かなかった。
迷子になっても、不安になっても、
離れている時間も、一緒にいれる時間と
同じぐらい大切なんだって……
あの日に、私は学んだ。
「白いワンピースを着た……」
私達を繋いでくれた女の子。
可愛いピンク色のイルカを持って、
ふんわり見せてくれた笑顔は、
今でも目に焼き付いて……
片時も忘れることはなかった。
まだ、恋が始まったばかりの高二の夏。
そして、今は
(家康のばかーーっ!)
もう、知らない!
大学生になった私。
自分の意思で『迷子中』