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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第124章 『oceanブルーの横顔』(高2の夏)




閉園間際まで館内にいて、最後に立寄ったお土産屋さん。

私の目にとまったのは、
シルバーのイルカモチーフに、ピンクのストーンがあしらわれた携帯ストラップ。

ペアになっていて、もう一つはブルーのストーンがあしらわれていた。


(お揃い……いつか、一緒に着けれたら良いなぁ)


恋人の定番。
お揃いのストラップは憧れ。


今日、携帯で連絡が取れない時間を体験して、学んだこと。

不安で寂しくて。
でも、逢えた時は本当に嬉しくて……
後で、離れていた時の話をして……

迷子を探している二人。
迷子中だった私達。

まるで、一緒にいれなくても繋がっているみたいで、嬉しかった。


このペアのストラップみたいに。


帰り道……



「波風気持ち良いね!」


「……まぁね」



駅までの道のりに海が見える。
夕焼け色に染まるオーシャンブルーは、また違った趣があって目に焼きつくぐらい綺麗だった。

白いスニーカーに一度視線を落として、私は隣を歩く家康を見上げる。



「また、いつか一緒に来ようね」



少し恥ずかしかったけど、いつか白いパンプスを履いて、違う目線で横顔が見たいって思ったから。

勇気を出して、言ってみた。


もしかしたら、ちょっと期待したのかもしれない。家康ももしかしたら、一緒の気持ちかもって……。


だって、
流石にもう迷子になるはずないのに……

まだ、手は繋がれたまま…だったから。


今度はオレンジ色に染まった横顔が、
ゆっくりと正面に向いて、私を見下ろす。



「……目、閉じて」



え……。




繋がった手が離れて……


その代わりに、頬に伸びてきた手。



海の波音がサァーッと、

耳に届いて……


胸が締め付けられる。


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