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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第124章 『oceanブルーの横顔』(高2の夏)




波が押し寄せて。

引いて。


私達の


距離が近づいて。



「ご褒美あげる。今日のひまり、お洒落して……」




やばいぐらい




可愛かったから。




私の耳に波音は消えて……




家康の声だけを届ける。





心に直接触れられたように、どきんどきんと動機が打つ気がして……

逆に苦しくなって……



「……閉じないと、そのままするよ」



何で?

どうして?


そんな疑問も頭に浮かばないぐらい……



「家康…………」



ある期待だけが胸を膨らませる。


もう海の景色が視界から消えて、

家康しか見えなくなって……

ぎゅっと、力いっぱい瞼を閉じると……





唇じゃなくて、


おでこに


マシュマロみたいに
柔らかい感触が降りてきて……


そっと目を開ける。




「次、来る時は………。はぁ……はい。ご褒美は、こっち」




おでこを押さえていない方の手。

そこに乗せられた、イルカのストラップ。



「コレ…!さっきのお土産屋さんの!」


「館内放送は流さなくて済んだから。そのご褒美」



でも、確かコレってペアで売って……
もう一つの行方は、携帯の着信音が知らせてくれる。

勘弁して。
そうボソッと呟きながら家康は気まずそうに、ポケットから携帯を取り出すとくるりと背を向けた。



その瞬間。



私は、クスリと笑う。


「はぁ!何で、三成まで海に来るわけ!……ほんと、最悪…………」


多分話の内容的に、
今度皆んなで約束した海に行く話かな?

と、思いながら家康が電話している
その間に、自分の携帯にストラップを取り付ける。


ピンクストーンの付いたイルカのストラップ。


あの二人が持っていたぬいぐるみみたいに、背後から私は背伸びをして、家康の携帯に揺れるイルカと自分の携帯に付いたイルカを重ねる。



「耳、真っ赤だよ?」




電話中だから反撃されないと思ったのに、家に着くまでの間、何度も首筋に付いた印にキスされて……




部屋に戻った私は、ゆでダコみたいに真っ赤になっていた。






oceanブルーの横顔
(高校二年生version)完
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