第19章 「苺のポッキー(1)家康様編」姫主side
佐助君に会った昼休み___
裏庭から校舎に戻る曲がり角の先に……見えた二つの影。咄嗟に建物の影に隠れてしまったのは、家康と一緒に居たのが……
ーー直接、聞いて欲しいの。
弓道部の副部長だったからかもしれない。
普段の私なら、すぐ二人に駆け寄って話し掛けるのに……
先輩のトレードマークのポニテールが珍しく下ろしてあって、いつもは仁王立ちしてサバサバして、勇ましい感じなのに……
ーー徳川君が好きなの。
私が知っている先輩じゃなかった。
聞き耳なんて立てるつもりなかったのに。そんな趣味ないのに。
すぐその場から離れようとしたのに。
ーー……好きな子、いるから。
家康の言葉に、何故か足がすくんで動けなかった。
ーー……やっぱりね。何となく、ってかまぁ……ほぼ振られるのは解ってたんだけど!
気がついたら、いつもの先輩の声がした。