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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第124章 『oceanブルーの横顔』(高2の夏)




マイクを持った係員さんが壇上に現れるのと同時に、頭上にある吊り球に飛び上がるイルカたち。

フラフープを器用に回したり、
シンクロするみたいに尻尾を振ったり……

その大迫力なショーに、感動して、力いっぱい拍手を送る。

最後にイルカとキスが出来るイベントがあって、思わず立ち上がって手を上げようとした時……


「だめ。イルカでも、許せないから」


家康にストンと席に座らされて、腰に手を回されショーが終わるまで、絶対に離して貰えなかった。


そして、ショーが終わって。


ずぶ濡れまではいかなくても、羽織っていたパーカーは、水を含んでちょっと重たい。


「パーカー脱いでくるから、鞄持ってて貰ってもいい?」

「迷子にならないでよ」

「大丈夫だよ!えっと、お手洗いあっちだよね?」

「……こっち。反対」


私は思わず苦笑い。

髪型もぐちゃぐちゃになったから、それも直したくてお手洗いに。

夏休みの今日。
女子トイレには凄い列が出来てて……


「こっちは凄い混んでるね!」

「奥にあったトイレ空いてたよね〜」


そんな会話を耳にして、

家康を待たせたくない。
少しでも長く一緒に居たい。って、




そんなこと……





恋愛初心者の私が……




思ったりするから……






(ココ、どこですか??)





ガラスの向こう側にいる可愛い二頭のアシカ。その二頭は私の問いかけに首を傾げて、返事をしてくれた。



これが
『私は、迷子中』のはじまり。


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