第116章 夏の大三角(17)大会編
胴着から制服に着替える間。
まだ、興奮が収まらない私達三人は、更衣室で騒ぎながら、今度夏休み中にお泊まり女子会しよう!ってことになった。私は副部長のお父さんの具合が心配で、貴重な時間を割いて貰うのは何だか申し訳ない気がして……
すると、気づかない内に顔に出ていたみたいで、副部長は私の腫れていない方の頬を軽く引っ張り、
「まだ、検査入院だから。心配しなくて大丈夫よ!」
「ひ、ひぁい(はい)」
「そ、れ、よ、り〜」
ゆっちゃんは軽いノリで私の隣に座り、ニンマリと笑う。すると、副部長も私の頬を引っ張ったまま、反対隣に座り二人に挟まれた。
「合宿の後半から、なぁ〜んかおかしいんだよね??」
ゆっちゃんはグイグイと私との距離を、更に詰めて身を寄せ、
「え??」
「しらばっくれてもダメ!ダメ!私の目は騙せないよ〜」
「今日も急に調子戻ったじゃない?良い弦音、響かせて」
「「ね〜〜」」
二人を私を挟んだまま、ズイッと顔を寄せ合いクルッと首だけ私に向ける。白状しなさい!!また、合宿の時みたいに脇腹を擽られ、
「ちょ、っと……く、っすぐったいな、何もない…よーっ」
笑いながら身を捩り、抗議をする。
「ココに来る前に、徳川と二人っきりでなぁに?話してたのかなぁ〜ほぉら〜ぁ〜」
もう完全に酔っ払いのおじさんみたいな、喋り方。やっと、手を止めてくれた二人。私の返答をワクワクして、マジマジと見つめられ……。
頬に集まる熱に。
私は、思わず俯く。
そしてブラウスの襟をキュッと、持ち上げた。